『象は忘れない』
昨日今日でアガサ・クリスティーの『象は忘れない』という本を読みました。
名探偵ポアロシリーズの終盤作品です。
アガサ・クリスティーの本を読むのは初めてですが
まあ、特にシリーズを知らなくても困ることはなかったです。
なぜ『そして誰もいなくなった』や『ABC殺人事件』でなく『象は忘れない』が私の初アガサ・クリスティー作品となったのか。
それは私が密かに好きな作家の本とタイトルが一緒だったからです。
↑別に読み間違えたわけではありません。
『象は忘れない』柳広司
柳広司さんは文豪のオマージュ作品をいろいろと書いていましてこの作品もそういうものだと思ったんですね。
それで「象は忘れない」とGoogle検索したらアガサ・クリスティーの本が一番上に出てきたわけです。じゃあ、読むか、と。
全然関係ないやん。
序盤で「象は忘れない」という子供の時に聞く話があるって名探偵ポアロに女作家が話したとき、すべてを悟りました。
An Elephant Never Forgetsっていうことわざが英語にあるみたいですね。
単純に、物覚えがいいことを意味するみたいです。
それぞれこのことわざをタイトルにしたわけです。
しかし、タイトルの印象がアガサ・クリスティーのほうはそのまま「記憶力がいい」って感じなんですけど、柳広司さんのほうだと「やられたほうは忘れない」って感じですね。
結局関係ない本だったんですけど、謎が解決したので満足です。
↓以下ちょっとした感想です。↓
アガサ・クリスティーのほうは名探偵ポワロが過去の事件の真相を探るTHEミステリーって感じの本で、読みながら謎解きも楽しめます。
わりと読んでるとわかりやすいリードがあって最後に自分の考えと答え合わせをするって感じでした。衝撃のラストとか大どんでん返しを求めている人にはもの足りないかもしれません。
柳広司さんのほうは東日本大震災、主に福島第一原発の話で短編5本構成です。こちらはミステリではなくちょっと怖い話…?ジャンルがわかりません。
「卒塔婆小町」という話が一番怖くて、おもしろかったですね。そういう時にそういう考えに至ってしまうのだなっていう納得が得られました。
ところで各話のタイトルは歌舞伎や能に由来するらしく、これも関連が気になってきました。
柳広司さんの本は文が短くサクサク読めます。星新一が好きな人は好きそうな感じです。
また、名作のオマージュが多いので名作を読む前のステップとしてもおすすめです。もちろん先に元作品を読んでいても十分楽しめます。
※元作品に割と斬新な解釈を加えてますので原作至上主義者は読まないほうがいいかもしれません。
あとどうでもいいんですけど、柳広司さんはさん付けでアガサ・クリスティーや星新一が呼び捨てなのが気になりました。
そしてこんなものを書いていたら帝一の國の最初を見逃しました!!!!!
ぴえん!!!!!!!